相続の対象になる財産とは?マイナスの財産や「保証人の地位」についても解説します!

こんにちは。
遺言・相続・遺贈寄付専門、神戸市灘区のはやて行政書士事務所の齊藤です。

相続の最終的なゴールは、それぞれの相続人が被相続人(亡くなった人)の財産を円満に、納得のいく形で承継することです。そのためには相続が開始した時はもちろんのこと、終活においても「自分の財産を把握すること」はとても大切です。
では、相続の対象となる財産はどのようなものがあるのでしょうか?本日は、そもそも相続の対象になる財産とは?というテーマで解説していきます。

目次

相続財産の調査はなぜ必要なの?

相続というのは現金、預貯金、株券、不動産といったプラスの財産だけを相続するわけではなく、マイナスの財産も相続するのが原則です。
マイナスの財産には、借金、買掛金、保証債務などがあります。現金だけ手に入れて、借金を放棄するとうことはできません。
相続人が相続の開始したことを知って、法律的な手続きをしないまま、3か月が過ぎてしまうと、全財産をそのまま相続したものとして扱われます。(単純承認と言います。)

第920条(単純承認の効力)
相続人は、単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継する。

民法

無限に被相続人の権利義務を承継する・・・
少し怖いですね。

被相続人がどのような財産を持っていたかは、一緒に生活していてもわからない場合があります。ましてや、遠く離れて生活していれば、財産を把握することは困難を極めます。
従来は、通帳や郵便物などを手掛かりに財産、または負債を調査することができましたが、近年ペーパレス化が進み、手掛かりが全くないケースも増えています。
財産を把握することができないまま、単純承認となると、被相続人が大きな負債を抱えていた場合、否応なく相続しなければならないことになります。
あらかじめ、負債の方がプラスの財産よりも多いことが分かっていれば、家庭裁判所に相続放棄の申述をして、相続権を放棄することもできます。
相続が開始したら、戸籍謄本の収集(相続人の確定)と並行して、被相続人にどのような財産、負債があるかを調べて、一覧表を作りましょう。
一覧表を作ることで、財産の把握をすることができますし、遺産分割の際にも役立ちます。

マイナス財産とはどんなもの?

相続の対象となるマイナス財産にもいろいろなものがあります。よくあるものは、お金を借りていた金銭債務、商品を買った買掛金債務などです。高齢者になると病院への入院診療費や、施設への支払債務などもあります。その他、手形債務、滞納税金や、変わったところでは罰金納付義務も相続の対象になることもあります。

「保証人」の地位は相続の対象になる?

扶養義務や身元保証債務は一身専属権なので、相続されません。ただし、身元保証債務の場合、損害が発生して金額が確定したものは、金銭債務となりますので、相続のマイナス財産となります。
では、連帯債務や連帯保証はどうでしょうか?連帯債務は、2人以上の者が連名で債務を負担して、各債権者が全額について返還義務を負うものを言います。連帯保証は、債務者と同じ責任を負う内容の保証です。

判例において、金銭の連帯債務について、各共同相続人はその相続分に応じて、法律上当然に分割された債務を承継し各自承継した範囲において、本来の債務者と共に連帯債務者になるとしています。連帯保証についても、同様に相続の対象になると考えられています。

以上、今回は「相続の対象になる財産とは?マイナスの財産や、「保証人の地位」についても知っておきましょう!」についてでした。

本日も、最後までお読みいただきありがとうございます。ご参考になれば嬉しいです。

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